interview
高木 幹子
名古屋で着物リメイクとオリジナル販売のお店MikiLirryを娘と2人で運営。ネットだけでなく、来店も可能で、気軽に着物に関することを相談可能。
着物カジュアルのブランド“MikiLirry”を娘さんと2人で営んでいらっしゃる高木さん。
このMikiLirryを本当の集大成と語った高木さん。
今回はMikiLirryを始めるまでの過程やブランドの活動内容、こだわりや今後の目標などをうかがいました。
ブランドとしての活動内容
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MikiLirryのブランド紹介
——— MikiLirryさんの活動内容を教えてください。
高木 幹子さん(以下、高木):着物や帯から洋服やバッグをつくる着物カジュアルとオリジナルとして、着物ではない一般的な布を使った洋服の制作をし、販売するブランドです。
娘と2人で活動しており、ブランドを始めてちょうど10年になります。
商品の販売はネットでの販売を主にしております。実店舗は構えておりませんが、お客様の希望でご来店していただく形でのオーダー販売も受けております。
——— 娘さんと2人で活動していらっしゃるのですね。
高木:そうです。私はデザインや洋服の制作をおこない、娘がホームページやInstagramなどのネット関係や写真などを担当しています。
あとは、活動として洋裁の教室も1週間に一度開催しています。
——— 裁縫の先生とMikiLirryさんはどちらを先にされていたのですか?
高木:もともと私は洋裁学校に通っていて、デザイナーとして就職後、洋裁学校で洋裁を教えたりしていました。
こうした教えたりするなかで、着物のリメイクにすごく興味を持つようになりました。今までずっと20歳ぐらいの流れから今やっと着物カジュアルにたどり着きました。
私の本当の集大成がMikiLirryです。
どんな商品を販売している?
——— 作られているものは女性ものだけになるのですか?
高木:ワンピースやスカートなど女性ものをつくることが多いですが、男性ものも作っています。
多いのは、着なくなった浴衣からアロハシャツのリメイクですね。
男性ものの着物をリメイクする場合はパジャマにしたりすることも多いです。
シルクで気持ちいいですし、オーダーメイドのアイテム全てに当てはまりますが、自分に合わせたサイズで作れるのが魅力です。
着物カジュアルを始めたきっかけ
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——— MikiLirryさんを始められてから10年が経つとのことですが、最初ブランドを始められたきっかけはありましたか?
高木:当時細長い紐を編み込むバッグを作っていて、それがすごく自分の中で楽しかったこともあり、お友達に教えたり、あげたりしていたのですが、それがものすごく評判がよく1年かけて何十個と作っていました。
だんだん売ってみたいと思うようになり、娘からネットなどは私がするから2人でやろうという話になり、そこからMikiLirryがスタートしました。
このMikiLirryという名前も私の名前である“ミキ”と昔在籍していた洋裁学校の名前である“リリー洋裁学院”からとって、名づけました。
ロゴは日本の国花で皆さんに愛され親しまれている“桜”をモチーフに、桜のように皆さんに愛されるお店にしたいという意味を込めて作りました。
もちろん私自身、桜が好きということもあります(笑)
そこから、お客様にも恵まれて、少しずつ注文が入るようになり、より多くの方に広めたい一心で活動しているうちにあっという間に10年が経ちました。
活動の上で大切にしていること
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——— ブランドや事業に対してのこだわりや大切にしていることなどはありますか?
高木:皆さんに着物について聞くと、多くの方はタンスにずっとしまっている、もしくはすでに捨ててしまったと答えられます。
だからこそ、着物の買い取りも始まったりはしているのですが、捨てられているというのがすごく悲しかったです。
なので、着物を下の世代にどんどん引き継いで、残したいと思うようになりました。
実際、たくさん着物があるけど捨てるには悲しいからどうしたらいいかという相談や注文もかなり増えています。
——— すでに作られた商品を購入する方とオーダーメイドを頼まれる方だとどちらの方が多いのですか?
高木:オーダーメイドの方がほとんどです。
店の方にお見えになる方は、10枚以上もある着物をもってきてくださることもあるので、お客様に意見も聞きながら、着物ごとにどういったデザインの洋服にリメイクするかを相談・アドバイスしています。そして、納得していただいたうえで、実際に作っています。
ネットの方でご注文される方は、私たちのネットショップの方からこのような形がいいといったことを選んでいただいて注文を受けます。
ネットで注文される方とお店に来ていただく方は今はほとんど半々ですね。
ネットからの注文や問い合わせが難しいという方には電話での対応もおこなっております。
——— お店の場所は名古屋にあるのですか?
高木:名古屋駅から電車で15分ほどの場所にあります。京都や東京・千葉の方が新幹線でお店に来てくださることもあります。
事業を通して社会に与えたい影響
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——— MikiLirryさんがあることによって、社会あるいは日本にこういった影響を与えたいということは何かありますか?
高木:おばあちゃんやお母さん、お父さんの着物を家の子どもたちが引き継いで、それを身につけることで思い出したり、懐かしんだりしてほしいなと思います。
また、素敵な振袖や留袖を作った人の気持ちを考えると、何かドレスやバッグなどで使ってもらいたいです。
この若い人たちに着物の良さを知ってもらいたい、次の世代へと引き継いでいってほしいというのが1つと高年齢の生きる希望がない人たちにも、着物からお金をあまりかけなくても、自分でつくったり、身につけたりすることで生きがいを見つけてほしいという想いもあります。
それが一番の想いですね。
——— 生きる希望をもってほしいというお話にはかなり意味が込められていると感じたのですが、こうしたことを実感することは何かありますか?
高木:洋裁教室をやっていると、もちろん若い方もいらっしゃるんですが、ほとんどは年配の方です。
教室にくるとみんなと話ができるし、みんなの作っているものを見て、元気をもらえることもあって、毎回楽しみに来てくださる方が多くいます。
なので、家にひきこもらず、外にでて色んな楽しみを見つけてほしいと最近特に思うようになりました。
これからの展望
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——— MikiLirryさんとして今後の展望やこうなっていきたいといった目標はありますか?
高木:リメイクのお店に持っていくと値段が高いというイメージが皆さんの中にあって、高いから着物を捨ててしまうというお話をよく聞きます。
なので、そんなに高くなく、リメイクができるお店もあるということを知っていただきたいです。
また、着物リメイクアイテムは和だけではなく、洋風のアイテムに合うものも多いので、若い方にもいっぱい使っていただきたいです。
やはり、まだ着物カジュアルを知らない方がほとんどだと思うので、それを広めたいという強い想いがあります。
まとめ
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今回は、MikiLirryの高木さんに、ブランドの活動内容や始めたきっかけ、こだわりや今後の展望などをお話いただきました。
高木さん、今回はお時間いただきありがとうございました。
1人1人に合わせたオーダーメイドで着物を日常使いできるアイテムにリメイクしてもらいたい方はもちろん、女性ものであれば、ワンピースやスカート、バッグ、男性ものであればアロハシャツなどの多数アイテムが販売されていますので、気になる方はぜひホームページを訪れてチェックしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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