日本の着物の物語をもう一度廻す【CERITA TUR】

Cerita tur アイキャッチ

interview

光下 由紀こうげ ゆき

着物リメイクブランドCERITA TURのオーナー。大阪モード学園の講師なども務める。

アパレル企業でテキスタイルデザイナーをしたのち、ファッション関連のセミナーの講師や、大阪モード学園の講師など、アパレル業界に携わってきた経験や着物への興味から着物リメイクブランド“CERITA TUR”を運営されている光下さん。

今回はそんな光下さんにブランドの内容活動に対するこだわり今後の目標などをお話しいただきました。

目次

ブランドの活動内容

Cerita tur 柄ロゴ

CERITA TURってどんなブランド?

——— CERITA TURさんの活動内容・事業内容について教えてください。

光下由紀さん(以下、光下):着心地が良いシルクのウェアとアクセサリーを展開しています。年齢や性別を問わず身につけたくなるデザインのアイテムを制作することを心掛けています。

また、基本的に着物リメイクなので、1点物です。

——— ブランドはいつから始められたのですか?

光下:着物自体には2019年頃から携わっていますが、ブランドとして本格的に始めたのは2022年からです。

——— 生地選びから完成までの工程をすべてお1人でされているのですか?

光下:そうですね。ライダースやスカジャン、アロハなどのアイテムの縫製は、別の人にお願いしているときもありますが、トラベルウェアのスカートワイドパンツなどはすべて自分で最後までおこなっています

——— 着物の生地は普通の生地よりも切ったり、縫ったりするのが難しいと聞きますが、実際どうでしたか?

光下:テキスタイルの仕事をしていたので、特に扱いに困ることはありません。

ブランドを始めた経緯

——— CERITA TURというブランド名はどのようにして誕生したのですか?

CERITA TURチェリータ トゥールは英語読みができないのですが、実はインドネシアの言葉なんです。

私が友人のマルシェに着物のリメイクを出店するため商標を登録する際、日本語や英語だと被ってしまうことも多いのでアルバイトとしてインドネシアからの留学生の子がいたので、その子に相談して、インドネシアの言葉でいいのないかなと聞いたのがブランド名が決まったきっかけです。

CERITA”は物語TUR”は巡る旅行といった意味なので、着物の物語がずっとまた巡っていくといった意味を込めてブランド名を名付けました。

また、日本人が海外に行った際に、海外の方に日本の着物を素敵だと思ってもらえるという想いがあったことや、当時コロナ禍でコロナが終わったら旅行をしたいと考えている方も多くいらっしゃったので、その旅行の際に使えるトラベルウェアから始めました。

着物を使ったトラベルウェアであれば、元がシルクなのでポリエステルなどの材質よりも小さく、そして軽くなります。

活動のうえで大切にしていること

——— ブランドや活動に対するこだわりや大切にしていることなどはありますか?

光下:コーディネートがしやすそうな着物はあえて買わず、そうでない着物を購入するようにしています。

——— それには何か理由があるのですか?

光下:着物も着物として着てほしいだろうと私は思っています。

なので、アンティークが好きな人とか、着物を着物として着たいと考えている方に、コーディネートのしやすそうな着物は譲るようにしています。

また、着物をほどいてリメイクするにあたって、本当に最後の最後まで着物を余さず使い切りたいという想いがあるので、Tシャツのポケットなどに着物をカットしたものをつけたりもしています。

——— 先ほど旅行服を作っているというお話がありましたが、旅行服だからこそ意識しているポイントなどはありますか?

光下:トラベルウェアに特化しているのはワイドパンツなどなんですけれども、必ずポケットがあることと、しわになりにくい生地を選ぶことです。

縮緬ちりめんなどであれば、しわが目立たないので、実用性を重視して生地を選んでいます。

——— 日本のリメイク業界・市場が広がる、確立されるために必要なことは何だと思いますか?

光下:やはり海外だと思います。

1枚1枚オーダー、セミオーダーみたいな形になることもあり、値段が高いものになってくるので、日本の若い人が買うには少し高いと思います。

本当に好きという方しか買えないので、海外でその価値を感じてくれるところに出していかないと今以上の広がりはないのかなと思っています。

活動を通して社会にもたらしたい価値

Ceritaturモデル自撮り

——— ブランドを通して何かもたらしたいものなどはありますか?

光下:若い方にも着物に接してほしいなと思います。

そして、海外に行ったときに、日本人ですよ、というアピールになったり、日本を好きな海外の方に着物のことも好きになってもらえたらいいなと思っています。

また、着物カジュアルはもったいない精神のサステイナブルなものなので、色んな面でよい影響をもたらすことができるのではないかとも思っています。

今後の展望

ceritatur集合写真

——— 今後の活動を通してのやりたいことや目標などはありますか?

光下:カナダでファッションショーをして、それで満足して終わりではなく、展示販売スペースを借りてブランドのアイテムを置いたり、オーストラリア在住の友人に頼んで、オーストラリア内で商品を販売してもらう計画もあります。

SNSではなかなか購入するのが難しい世代の方も多いので、SNSの発信に加えて、こうしたマルシェなどを定期的に開催して、積極的にアプローチしていきたいです。

——— 海外に広めていきたいというお話が何度かありましたが、広めていくうえでの課題や現状困っていることなどはありますか?

光下:日本から海外へ服を送る際の関税といったお金関連のことがまずあります。

また、海外でファッションショーをやるにあたって、アイテムの説明を英語で書く必要があったり、様々な準備をする必要があるので現地でのサポートだけでなく、国内でのサポートもあると嬉しいですね。

あとは、カナダだけでなく、日本から近いアジア圏でのファッションショーをする機会であったり、芸能人の方でもたまに1点物の着物カジュアルを着ていることがあるので、スタイリストの方とのつながりができたりすると面白いですね。

まとめ

今回はCERITA TURの光下さんにブランドの活動内容活動に対するこだわり今後の展望などをうかがいました。

光下さん、今回は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

5月19日(金)~21(日)に展示会もおこなわれるそうなので、気になる方はインスタグラム(@cerita_tur)で最新情報などをチェックしてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

CERITA TUR

ホームページ:ceritatur.base.shop

Instagram:@cerita_tur

デザイナー:@yukikouge

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この記事を書いた人

はじめまして、和-Yamato-です。
私たちは近年の日本経済/着物業界の衰退に対し、
着物リメイクという切り口で新たな突破口となります。
私たちは着物のリメイクを”Kimono Casual”と呼び、
海外への普及を目標としています。

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