interview
笹原 さやか
“逸品縁”を運営。女性もののドレスやワンピース、スカートを中心に制作している。着物本来の良さを活かしたデザインが特徴。
個性を出すなら着物リメイクファッションが一番!と語った笹原さん。
個性を出すアイテムながらも、誰もが着ることのできるデザインを目指す笹原さんには着物カジュアルに対するこだわりがいくつもあることがわかりました。
今回は笹原さんに“逸品縁”のブランドについてや、着物カジュアルを始めたきっかけ、活動へのこだわり、今後の目標などをお話いただきました。
逸品縁ってどんなブランド?
——— “逸品縁”さんはどのような活動をされていますか?
笹原さやかさん(以下、笹原):着られなくなった、捨てられてしまうような着物を洋服にリメイクすることで、まだまだ利用価値のあるものとして、生まれ変わらせ、販売する活動をしています。
もともと手芸作品を販売したりしていましたが、2022年5月頃から着物のリメイクを始めました。
——— “逸品縁”というブランド名の由来は何ですか?
笹原:着物は同じ柄のものはなく、すべて異なる柄なので、“1つ1つの着物がそれぞれの方の人生のワンシーンにお手伝いできるように”、“一品一品のご縁を大切に”という意味で、逸品縁という屋号をつけさせていただきました。
——— 女性もののドレスの販売が多いと思うのですが、何か理由やきっかけはありましたか?
笹原:最初、夏用のお着物をサマードレスにしたらいいのではないかと思って、作ったことがきっかけです。
そこからお客様にドレスのご要望をいただくことが多くなったので、自然とドレスをつくっていくようになりました。
着物カジュアルを始めたきっかけ
——— 着物をリメイクするようになったきっかけは何かありましたか?
笹原:亡くなった祖母の着物を私の母が処分しようとして、着物の買い取り見積を業者に頼んだものの、二束三文にしかならず、売るのを辞めたという話を聞きました。
そこで、処分するくらいならと着物を洋服にリメイクしたことが、着物カジュアルを始めたきっかけです。
——— それまでやっていた手芸と着物のリメイクはかなり異なる部分も多いと思うのですが、大変な面はありましたか?
笹原:これまで工作や手芸を色々やってきていましたが、そもそも手芸屋さんなどで売られている布と着物では材質が違います。なのでまず、洗い方やシミ取り、ほどき方など着物の取り扱い方について勉強しました。
最初は、取り扱い方もわからず、シルクのものを洗濯して、匂いを家中に充満させてしまったり、着物が縮んだり、色落ちさせてしまったりもしました(笑)
また、着物は1つの布で全部できていて、まっすぐな布で、横幅も決まってしまっています。
そこからどう継ぎ足していけばいいのかなど考えることなどが多いこともあって、やっぱり普通に洋服を作るよりも、何倍も大変です。
活動に対するこだわり
——— 活動していくうえで、大切にしていることやこだわりなどはありますか?
笹原:着物を気軽に着ていただけるよう、堅苦しくないデザインの洋服にリメイクすることをこだわっています。
日本では年間1兆円規模の着物が捨てられていたり、全国のタンスの中に眠っていて、着られていない着物が7億着あるといわれています。
なので、お客様のご要望が多く、パーティードレスのような一部シーンでしか着用できない洋服も制作していますが、どんなシーンでも気軽に利用できる洋服をはじめとしたアイテムを今後も作っていきたいと思っています。
——— 着物カジュアルの相場より価格が低い方だと感じたのですが、この値段帯で販売できている理由は何かありますか?
笹原:私の場合は、もともとの着物の柄やデザインをできるだけ活かしたシンプルなデザインにしたいと思って作っているので、着物リメイク商品としては低価格で販売できているのではないかと思います。
ただ、昨今のアパレル業界の状況を鑑みまして、この値段が妥当なのではないかと思い、設定している部分もあります。
今後より着物ファッションの価値が高まってほしいと思っております。
ブランドを通して実現したいこと
——— “逸品縁”を通してこのような影響を与えたいといったことはありますか?
笹原:最近は結構海外の方がどちらかというと日本の文化に興味を持っていただいていると感じることが多く、実際海外の方から商品を購入いただくこともあります。もちろんそういった世界の方たちにも、よりお着物や日本の魅力を広めていきたいのと同時に、もっと私たち日本人が着物の良さを理解して、普段からファッションとして取り入れていけばさらに広まっていくのではないかと思っています。
ただ、実際のところ、着付けが大変・お手入れが大変といった理由で大半の日本の方は着物を着ていません。
なので、洋服にすることで、気軽にファッションに取り入れていただき、お着物や伝統を守っていきたいです。
——— 海外の方からも注文があるとのことですが、海外の方からの注文があった場合は、その方の身長などに合わせて作られているのでしょうか?
笹原:今作っている形のワンピースはフリーサイズで、身長によってもちろん長さは違ってくるとは思いますが、胴回りは細い方から、ふくよかな方までカバーできるようになっています。
人を選ばない、どんな方でも着用できるというのはこだわって作っていますね。
これからの展望
——— “逸品縁”さんとしての今後の目標や、やっていきたいことなどはありますか?
笹原:現在は、お客様からのご要望の多いパーティードレス系を制作することが多いんですけれども、やはりそれと並行して普段着として着られるアイテムやコーディネートに合うバッグなども制作していきたいと思っています。
バッグは作っていらっしゃる方も多いですが、年配の方が作っていることが多く、デザインは年配の方向けの印象があるので、老若男女使えるデザインのバッグを作っていきたいです。
まとめ
今回は、“逸品縁”の笹原さんに、ブランドを始めた経緯や活動内容、活動へのこだわりや今後の展望などをうかがいました。笹原さん、今回はインタビューをお受けいただき、ありがとうございました。
着物ドレスやワンピースなどのアイテムが気になるという方、シンプルで着物本来の良さがあるアイテムが気になる方はぜひ、minneやCreemaといった通販サイトを訪れて一度チェックしてみてください。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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