“悔しさを原動力に”ふるきものをあたらしきものへ【中嶋千寿】

interview

中嶋 千寿なかじま ちず

「ふるきものをあたらしきものへ」着物を気軽に着られる洋服に変え、新たな価値を創造する着物リメイクブランドChizu nakajimaを運営。奈良に常設店も構えている。

海外における日本の着物への認知に対しての悔しさからブランドChizu nakajimaを立ち上げた中嶋千寿さん。

インタビューの中では“タンスの肥やしを減らしたい”“新しい着物は買わない”など様々なこだわりが見受けられました。

今回は、そんな中嶋さんにChizu nakajimaをつくるきっかけとなった出来事や、ブランドとしてのこだわりこれからの目標などをうかがいました。

Chizu nakajima

店舗所在地:奈良県奈良市餅飯町12番地夢キューブ1階B号(近鉄奈良駅徒歩15分、JR奈良駅徒歩20分)

公式サイト:Chizu nakajima

Instagram:kimono_chizu_remade

目次

着物カジュアルを始めたきっかけ

——— Chizu nakajimaを始められたきっかけを教えてください。

中嶋千寿さん(以下、中嶋):ニューヨークにあるアパレル企業のインターンで着物を着ていったところ、そこにいたカメラマンさんに「GUCCIで見たことがある」と言われたんです。着物が日本の伝統的な衣装ではなく、GUCCIのものとして認知されていたのが悔しくて、海外の人でも着ることができる服を、本物の着物で作ろうと思ったのがきっかけです。

アパレルファッションの最前線にいるカメラマンさんに言われたことがすごくショックでした。

——— もともと、服に関する勉強などはされていたのですか?

中嶋:海外で2年間、服と関係のない仕事をしていたので、ミシンも触ったことがないという状況でした。日本に帰ったあと服に関する講座を1年ほど、週2回のペースで受講しました。

——— 始めてすぐに出店もされたのですか?

中嶋:やはりやるからには、販売もしていかなきゃいけないと思ったので、職人さんを探して服を20着ほど作っていただいて、誰でも参加できる催事に参加することから始めていきました。それから徐々に百貨店さんに呼ばれたりするようになりました。

Chizu nakajimaってどんなブランド?

——— 現在、Chizu nakajimaさんではどのような商品やサービスを取り扱っていますか?

中嶋:着物リメイク服やアクセサリーの販売、それから着物生地を使ったオーダーメイド服の作成販売を主におこなっています。

——— サイトを見ていると、ドレス系の商品が多いと感じたのですが、メンズアイテムにリメイクしてもらったりということも可能ですか?

できます。メンズが得意なデザイナーがいるので、ご相談していただければリメイク可能です。

Chizu nakajimaとしてのこだわり

Chizuポーズ

ブランドを運営するうえでのこだわり

——— Chizu nakajimaというブランドを運営していくうえでのこだわりなどはありますか?

中嶋:新しい着物は買いません。「古きものを新しきものへ」をコンセプトにしています。

——— それは何か理由があったりするのでしょうか?

中嶋:日本のタンスの肥やしになっている着物の価値というのは、4兆円ほどと言われており、その中の多くは家族から受け継いだ着物であると言われています。実際に、サイズや色味が合わなかったり、汚れていたりして処分するしかないけれど、捨てるには忍びないという方が多くいらっしゃり、思い入れを聞くにつれ、あえて古い着物を使い、洋服として再生することに重点を置きたいと思ったからです。

服をつくるうえでのこだわり

——— 何か服をデザインし、作っていくうえでのこだわりはありますか?

中嶋:基本的に、着物はほどくと幅と長さが決まっているので、その幅と長さで足りるようなデザインを考えるようにしています。

——— ほかの生地を継ぎ足したりということはしないのですか?

中嶋:着物って黒といっても、色んな黒があります。なので形になったときに、ほかの生地を使っていると、右と左で違う色になってしまうことがあります。やはり統一感を出すために、1着の着物で何か1つの商品っていうのを決めています。

Chizu nakajimaとしての今後の目標や展望

Chizuさん立ち絵

——— これからお店やブランドをこうしていきたいといった展望はありますか?

中嶋:まずは、タンスの肥やしを減らしたいなという風に思っています。それから海外にも将来的に広めていきたいなと考えています。2023年の2月と10月にフランスで催事をおこなう予定なのでそこでの反応を見て、考えていきます。

——— フランスで出店するとなると、海外の方用のサイズで服を作ったりするのでしょうか?

中嶋:そのように準備しています。基本的にはアジアのサイズで作っているんですけど、海外の方が見に来てくださったときに、買いたいけどサイズの問題で買えないということがあったので、現在は作るようになりました。

着物リメイクに対する人々の反応とは

——— 着物リメイクという概念に対する日本と海外での反応の違いを感じたりすることはありますか?

中嶋:海外の人のほうが、“素晴らしい”とか“すごい”っておっしゃってくれます。逆に日本だとリアクションは半分半分で、1個は“こういう風によみがえらせてくれてすごい嬉しい”というものと、“こんなもったいないことして”というものがあります。どちらにせよ、このことをきっかけにして、着物が話題にあがれば嬉しいですね。

まとめ

今回は着物リメイクブランドChizu nakajimaを経営する中嶋千寿さんにブランド誕生経緯こだわり今後の展望などをお話しいただきました。

今後は国内はもちろん、海外への積極的な進出というのも考えているそうです。

中嶋さん、今回はインタビューをさせていただき、ありがとうございました。

着物カジュアルに興味を持った、あるいはChizu nakajimaのアイテムやブランドのことをもっと知りたいという方は、公式サイトまたはInstagramをチェックしてみてください。

Chizu nakajima

店舗所在地:奈良県奈良市餅飯町12番地夢キューブ1階B号(近鉄奈良駅徒歩15分、JR奈良駅徒歩20分)

公式サイト:Chizu nakajima

Instagram:kimono_chizu_remade

最後までご覧いただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

はじめまして、和-Yamato-です。
私たちは近年の日本経済/着物業界の衰退に対し、
着物リメイクという切り口で新たな突破口となります。
私たちは着物のリメイクを”Kimono Casual”と呼び、
海外への普及を目標としています。

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